品詞とは?
語を分類するやり方は複数あります。
例えば、語の出自によって分類したものとして、和語・漢語・外来語・混種語がありますね。
品詞というのは、文法的機能に基づいて語を分類したものです。
学校文法では、品詞を以下の10種類に分けて考えることが多いです。
- 動詞(例:書く、話す、聞く、読む)
- 形容詞(例:新しい、かわいい、やさしい、うれしい)
- 形容動詞(例:元気だ、大変だ、ハンサムだ、静かだ)
- 名詞(例:月、大学、私、太陽)
- 副詞(例:ゆっくり、かなり、多少、きっと)
- 連体詞(例:ある、あらゆる、きたる、小さな、とんだ、約、この、その、あの)
- 接続詞(例:しかし、それに、ただし、そして)
- 感動詞(例:ああ、もしもし、おや、ほう、わあ、あれ?)
- 助動詞(例:(ら)れる(受身)、(さ)せる(使役)、だ、です、たい、ない、そうだ、らしい)
- 助詞(例:は、に、で、から、しか、の)
分類のポイント
- 自立語か付属語か
- 活用するかしないか
- 活用の形
以下の表を見てください。
この表を見ながら、以下の説明を読んでもらうと、わかりやすいと思います。
ポイント1: 自立語か付属語か
まず、語は自立語と付属語に分けられます。
自立語
自立語というのは、一語で意味を表せるものです。その語を聞いたら、どんな意味かわかるようなものが自立語ですね。
自立語は、単独で文節を作れて、文節の最初にあります。
動詞、形容詞、形容動詞、名詞、副詞、接続詞、連体詞、感動詞が自立語になります。
付属語
付属語は、単独では文節を構成することができません。自立語の後について、自立語に様々な意味を添えるものです。
助詞や助動詞が付属語になります。助詞の「は」「が」「に」などは単独で使っても意味がわかりませんね。
例
以下の文を見てください(文節に分けています)。
彼は/ 明日から/ 新しい/職場で/ 働くらしいです。
- 名詞:「私」「明日」「職場」
- 動詞:「行く」
- 形容詞:「新しい」
- 助詞:「は」「から」「で」
- 助動詞:「らしい」「です」
ちなみに、「です」は、コピュラという品詞として別に考える立場もあります。
ポイント2: 活用するかしないか
自立語か付属語かで語は大別できます。
自立語、付属語のそれぞれを活用の有無で細分できます。
自立語の活用の有無
自立語で活用するのは、動詞、形容詞、形容動詞です。
動詞は、「書く」「書かない」「書こう」「書けば」と活用しますね。
形容詞も「新しい」「新しかった」「新しくなかった」と活用します。
形容動詞も「元気だ」「元気じゃなかった」「元気だった」と活用します。
これら3つは述語になるもので、「用言」といいます。
自立語で活用しないのは、名詞、副詞、連体詞、接続詞、感動詞です。
このうち、名詞は、主語になるもので「体言」といいます。
付属語の活用の有無
付属語で活用するのは、助動詞です。
なお、どの語を助動詞と認めるかについては見解が多数あります。
学校文法では、助動詞の例としては、「(ら)れる(受身)」「(さ)せる(使役)」「だ、です」、「たい」、「ない」、「そうだ」、「らしい」などがあげられます。
これらの助動詞は、例えば「らしい」の場合は、「らしい」「らしかった」「らしくなかった」と活用できますね。
なお、日本語教育文法では助動詞という品詞は使っていません。
「られる」「させる」などは受身形、使役形として学びます。
「そうだ」「らしい」などはモダリティ表現の一つとして導入されます(モダリティについては、「モダリティ、ムード、ヴォイス、アスペクト、テンスの用語についてのまとめ」もご覧ください)
付属語で活用しないのは、「に」「は」「で」などの助詞です。
活用の形
述語になることができる動詞・形容詞・形容動詞は、活用の形で区別できます。
言い切りの形がウ段で終わるものは動詞です。
「話す(hanasu)」「書く(kaku)」「読む(yomu)」など、ウ段で終わっていますね。
言い切りの形が「い」で終わるものは形容詞です。
「かわいい」「たのしい」「うれしい」など、「い」で終わっていますね。
日本語教育文法では「イ形容詞」といいます。
言い切りの形が「だ」で終わるのが形容動詞です。
「静かだ」「元気だ」「ハンサムだ」「にぎやかだ」など「だ」で終わっていますね。
なお、日本語教育文法では、形容動詞は「ナ形容詞」と言います。
名詞を修飾するときに「静かな町」「元気な人」「ハンサムな人」「にぎやかな教室」などといったように、「な」がでてくるからです。
まとめ
学校文法に基づいた品詞の種類と、その分類のポイントについて簡単に説明しました。
まとめると以下のようになります。
- 品詞というのは、文法的機能に基づいて語を分類したもの
- 学校文法では、品詞を10種類に分けて考えることが多い
- 品詞の分類のポイントとして、①自立語・付属語、②活用の有無、③活用の形があげられる
何かのお役に立てれば幸いです。
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