同音語、同義語、類義語、対義語の違いについて

同音語、同義語、類義語、対義語

この記事では、同音語、同義語、類義語、対義語について簡単に説明します。

まとめると以下のようになります(参考:『研究社 日本語教育事典 』p. 221-222)。

  • 同音語(homonym):発音が同じ語。意味は違う。
  • 同義語(synonym):意味が同じ語
  • 類義語(synonym/quasi-synonym):意味や使用する場面が似ている語
  • 対義語(antonym):反対の意味を持つ語。ただ、意味は共通要素を持っている。

以下で一つずつ説明します。

 

同音語(homonym)

同音語は、その名の通り、発音が同じものですね。意味は違います。

以下のようなものがあります。

  • 花(はな)/鼻(はな)
  • 雨(あめ)/飴(あめ)
  • 書く(かく)/核(かく)/掻く(かく)
  • 生涯(しょうがい)/障害(しょうがい)/傷害(しょうがい)

 

日本語は同音語が多いと言われています。同音異義語ということもあります。

 

なお、「発音が同じ」といいましたが、厳密にいうと「雨(あめ)/飴(あめ)」のようにアクセントが違うものもあります。

ただ、アクセントが違っても、構成する音が同じであれば、基本、同音語に含められます。

 

同義語(synonym)

同義語は、意味が同じものですね。発音が異なります。同意語ともいわれます。

以下のようなものが例としてあげられます。

  • 便所/トイレ
  • 台所/キッチン/厨房
  • 減る/減少する

何をもって「意味」と呼ぶのかという話にもなってきますが、厳密にいうと同義語というのは存在しないともいわれています。

 

例えば、「トイレ」と「便所」だと、指し示すものが同じとしても、使用する場面は違います。

高級レストランで「便所はどこですか?」と聞くことはあまり考えられないと思います。

「トイレ」「便所」といったときにイメージするものにずれはありますね。

 

なので、同義語という言葉を使わず、類義語にまとめる分類法もあります。

 

類義語(synonym/quasi-synonym)

類義語は、意味や使用する場面が似ている語ですね。

意味が重なっているところもあれば、意味にずれがあるところもある語です。

以下のような例があります。

  • 美しい/きれい/かわいい
  • 休息/休憩
  • 用意/準備
  • 言う/話す

ただ、どこまで類義語に含めるかも、判断はわかれると思います。

 

対義語(antonym)

意味が対立する語のことです。反意語、反義語、反対語などともいわれます。

 

  • 右/左、生/死
  • 大きい/小さい、高い/低い
  • 入る/出る、売る/買う

なお、対義語は意味に共通の要素があることが前提となっています。

 

意味を対比して比べられるということは、何か共通要素があるからこそですね。

例えば、「大きい/小さい」だと、「大きさ」について話しているという点では共通しています。

「右/左」についても「方向」に関するという点で共通しています。

「大きい」と「右」は全然違うので、比べられません。

 

まとめ

この記事では、同音語、同義語、類義語、対義語について簡単に説明しました。

何かのお役に立てれば幸いです。

 

日本語の語彙についてもっと詳しく知りたい方は、以下の本がわかりやすいと思います。