ここでは、「ずつ」と「ごとに」の違いを説明します。
どちらも英語にすると「each」に訳されることが多いので少しややこしいですね。
「ずつ」と「ごとに」の違い
「ずつ」と「ごとに」の違いを簡単にまとめると以下のようになると思います。
- ずつ:数量詞+ずつ。数量に関するときに主に使う。
- ごとに:数量詞/名詞+ごとに・動詞+ごとに。規則性のある事柄に使うことが多く、頻度や回数を表すことが多い。「~の度に」「それぞれ」という意味もある。
以下、もう少し詳しく説明します。
ずつ
「ずつ」は基本は、「数量詞+ずつ」の形で使います。
以下のような例があります。
- 一人5枚ずつとってください。
- 10人ずつに分かれてグループになってください。
- 少しずつ上手になってきた。
- 5万円ずつ毎月貯金している。
- 5ページずつ読み進める。
「ずつ」の前は普通は、数量詞になります。
「一人5枚ずつとってください」や「10人ずつに分かれてグループになってください」のように「ある数量を等分に割り当てる」(goo国語辞書)という意味になります。
また、「少しずつ上手になってきた」「5万円ずつ毎月貯金している」「5ページずつ読み進める」のように、「一定量に限って繰り返す」(goo国語辞書)という意味もあります。
いずれにせよ、主に数量に関するときに使います。
ごとに
「ごとに」というのは、「数量詞+ごとに」だけでなく、「名詞+ごとに」や、「動詞(辞書形)+ごとに」という形でも使えます。
以下のような例があります。
- 5分ごとにアラームが鳴る。
- オリンピックは4年ごとに開催される
- 5枚ごとに1回くじを引くことができる。
- この本は読むごとに新しい発見がある。
- グループごとに違いを説明してください。
- 地域ごとに習慣が違う。
「ごとに」の前は、「5枚」などの数量詞だけでなく、「グループ」「地域」などの名詞や、「読む」などの動詞が来ることができます。
意味としては、まず、「5分ごとにアラームが鳴る」「オリンピックは4年ごとに開催される」「5枚ごとに1回くじを引くことができる」のように、「規則的にある事柄が生じる」「~の単位で」というものがあります。
頻度や回数を表すことが多いです。
また、「読むごとに新しい発見がある」というように、「~の度に」「~するときはいつも~」という意味でも使います。
さらに、「グループごとに違いを説明してください」「地域ごとに習慣が違う」など、「グループそれぞれで」「地域それぞれで」という「それぞれに、おのおのに」の意味もあります(グループ・ジャマシイ 1998 p. 119)。
(上記で「ごとに」は「~の単位で」の意味があると述べましたが、「グループという単位で説明してください」「地域という単位で習慣が違う」というふうに解釈できるかもしれません。)
まとめ
「ずつ」と「~ごとに」について説明しました。
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