日本語の動詞は「子音語幹動詞・母音語幹動詞」、「自動詞・他動詞」、「意志動詞・無意志動詞」、「状態動詞・動態動詞」、「本動詞・補助動詞」、「能動詞・所動詞」など、様々な分け方がされます。
(詳しくは「日本語の動詞の分類について」もご覧ください)
この記事ではこの中の「本動詞・補助動詞」について説明します。
本動詞と補助動詞
本動詞と補助動詞は、動詞として本来の意味を保持しているかどうかという自立性の観点から分類したもので、以下のように区別されます(近藤・小森 2012. p. 202 & p.207)。
- 本動詞:自立している動詞
- 補助動詞:動詞の後に付いて意味を添える動詞
例えば以下の2文を見てください。
- 犬がいる
- 犬が寝ている
どちらも「いる」という動詞が使われています。
ただ、「①犬がいる」ほうの「いる」は「ある場所に存在する」という「いる」という動詞の本来の意味で使われています。
この場合の「いる」は、独立していて、実質的な意味を持っています。
それに対し、「②寝ている」の場合、「いる」は「寝る」という動詞に接続しています。
そして、意味も、「寝るという動作が継続している」という意味になり、「いる」という動詞そのものの意味がうすくなっています。
①の「いる」は本動詞、「②寝ている」の「いる」は補助動詞になります。
本動詞
本動詞は自立している動詞ですね。以下のような動詞はすべて本動詞です。
- 書く、聞く、読む、歩く、運転する、走る、飛ぶ、割る、叫ぶ、笑う、働く、泣く
補助動詞
補助動詞は、動詞の後に付いて意味を添える動詞です。
動詞がもともともっている意味が薄くなり、文法的機能を果たすようになったものです(近藤・小森 2012, p.207)。
例えば、以下の赤字部分はすべて補助動詞です。
- 走っている
- 宿題を忘れてしまう
- 勉強を教えてあげる
- 勉強を教えてくれる
- 宿題をやっておく
- 試しにやってみる
- 歴史が変わっていく
青字の部分がすべて「て」なのでわかるとおり、基本はテ形(「~て」(又は「~で」)という形)に接続します。
また、補助動詞は、基本はひらがなでかきます。
ご興味のある方は
本動詞・補助動詞の区別について簡単に紹介しました。何かのお役に立てれば幸いです。
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