共時言語学と通時言語学
ソシュールは共時言語学と通時言語学を区別しました。
共時言語学(linguistique synchronique):ある時期の言語の研究通時言語学(linguistique diachronique):ある言語の歴史的な研究
共時言語学は、ある時期の言語の「状態」を記述するものです。
例えば、現在の日本語教育で使う教科書には、現代日本語の構造(文法・語彙・発音等)が体系的に記述されています。
これは現在の日本語を、過去の歴史から切り取って、静的な「状態」として記述したものといえます。
通時言語学は、言語が歴史的にどう変わってきたかなどを調べるものです。
例えば、中世日本語と現在の日本語を比べて、文法が違っているかなどを調べるのが通時言語学になります。
ソシュールが共時言語学を優先させた理由
ソシュールは、共時言語学と通時言語学は、研究として異なるものであると考えました。
そして、過去の言語学が通時言語学に偏っていたといい、共時言語学を優先すべきと考えました。
共時言語学を強調した理由は、ソシュールの言語学に関する考え方とも関係しているようです。
ソシュールが言語学というのは、話者の頭の中にある言語知識を明らかにすることであると考えていたそうです。(堀田 2012)。
私たちは、中世日本語から日本語がどう変遷してきたかという通時的知識がなくとも、言葉を発し、理解することができます。
話者の頭の中にある言語知識を明らかにするという目的のためには、その時の言語の「状態」を観察する必要がある、つまり、共時言語学を優先させていく必要があると考えたようです。
他にも理由はあるようで、興味のある方は堀田 (2012)をご覧ください。
まとめ
共時言語学・通時言語学について簡単にまとめました。
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↑ソシュールの一般言語学講義は和訳もいくつか出ています。
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