「試す」と「試みる」の違いについて
「試す」と「試みる」の違いについて調べてみました。
「試す」と「試みる」も「やってみる(try)」の意味なのですが、使い方は違うところもあるようです。
辞書の意味
デジタル大辞泉によると、どちらもとにかくやってみるという意味では似ているそうです。
ただ、違いとしては以下があげられていました。
- 「試す」ー「対象とするものの性能・実態を知るためにやってみる」という意が強い。
例:「恋人の心を試す」「耐久性を試す」
- 「試みる」ー「どんな結果になるかわからないが、とにかくやってみる」という意が強い。
例:「被災地と連絡を取ろうと試みたが駄目だった」
(デジタル大辞泉より)
頻度
筑波ウェブコーパスで「試す」と「試みる」の頻度を調べてみると、「試す」は40,300、「試みる」は17,563のヒットがありました。
「試す」の方がよく使われることばのようです。
現代日本語書き言葉均衡コーパスによると、「試す」はブログや雑誌で使われる割合が高く、「試みる」は書籍や教科書が多いようです。
「試みる」のほうが書き言葉的ですね。
共起することば
筑波ウェブコーパスで調べると、「試す」と「試みる」といっしょに使われる言葉は以下のようなものがあります。
試す
- 方法を試す(例:様々な方法)
- 力を試す
- 薬を試す
- 自分を試す
- 効果を試す
- 商品を試す
「薬」「商品」などの他、「自分」や「自分」の力を試すときもよく使われるようですね。
試みる
- 分析を試みる
- 説明を試みる
- 抵抗を試みる
- 治療を試みる
- 自殺を試みる
「試みる」は「分析」「説明」「抵抗」などの漢語とよく一緒に共起するようです。
まとめ
「試す」と「試みる」の違いについて調べました。
今回、コーパスも参考にしましたが、コーパスの使い方などに興味があれば以下の本などがおすすめです。
- 李在鎬, 石川慎一郎, & 砂川有里子. (2018). 新・日本語教育のためのコーパス調査入門. くろしお出版.