語彙
語彙を考えるときに、理解語彙&使用語彙、基本語彙・基礎語彙ということばを使うことがあります。
理解語彙と使用語彙
理解語彙と使用語彙は以下のような違いがあります。
理解語彙は意味は理解できるが、自分は使わないもの
使用語彙は自分が書いたり話したりして使えるもの
日本語母語話者の成人の場合、理解語彙はだいたい4万~5万語程度、使用語彙はその半分の2万語程度といわれています。
基本語彙・基礎語彙
基本語彙と基礎語彙は以下のような違いがあります。
基本語彙というのは、語彙調査の結果をもとに、使用率も使用範囲も広い(多くの場面で使われる)語を集めたもの
基礎語彙というのは、個人が必要だと思うものを主観的に選んだもの
基本語彙は語彙調査に基づいているので、客観性が高いです。
基礎語彙は、もとは、イギリスの言語学者オグデン(Ogden, C.K.)らが1929年にBasic Englishとして選定したのが始まりです。
日本語では1933年に英文学者の土居光知(どいこうち)が発表した「基礎日本語」が有名です。主観的なので妥当性が問題になることもあります。
なお、実際の日本語教育で語彙を選定する場合、語彙調査の結果に主観的な判断を組み合わせることが多いようです。
参考文献
語彙を区別するときの用語についてまとめました。
なお、これを書くにあたって参考にしたのは、以下の入門書です。どちらも日本語教授法のクラスなどでよく使われる教科書です。
- 佐々木泰子(編)ベーシック日本語教育 ひつじ書房 p. 229-231
- 高見沢孟(監修)増補改訂版 新・はじめての日本語教育1 アスク出版 p. 185-187