敬語の分類
敬語の分類法として、素材敬語と対者敬語があります(詳しくは「敬語の分類について(素材敬語・対者敬語)」をご覧ください)。
ただ、それとは別に、どのように敬語が使われるかによって絶対敬語(absolute honorifics)と相対敬語(relative honorifics)という分類法もあります。
絶対敬語とは
絶対敬語は、自分より目上の人かどうかという絶対的な基準をもとに、使用を決めるというものです。
韓国語は絶対敬語の傾向が強いと言われています。
韓国語では、目上の者について話すとき、話す相手がだれであれ、敬語を使うことが多いようです。
例えば、自分の祖母について話す場合、身内の者に祖母について話すときも、赤の他人に祖母について話すときも、いずれも「おばあさまはいらっしゃいません」と祖母に敬語を使うようです。
要するに、敬語の使用を判断する際に、敬語を使う相手(上記の場合は「祖母」)が自分より目上の者かどうかという点がポイントになります。
話す相手との関係性(友達と話すか、赤の他人と話すか、身内の人と話すか)によって、敬語の使用が左右されないので、絶対敬語と呼ばれます。
相対敬語とは
相対敬語は、話し手、話し手と聞き手、話題となる人物との関係で敬語を使うか使わないかが決まるというものです。
日本語は相対敬語の傾向が強いと言われています。
例えば、「山田部長がいない」ということを伝えたいとします。
社内で話すときに、同僚に「山田部長は今いらっしゃいません」と敬語を使うかもしれませんが、社外の人と話すときは、「山田はおりません」と、部長について敬語は使いません。
つまり、話す相手がウチの人かソトの人かという親疎関係が敬語の使用に関係してきます。
話す相手によって敬語の使用の有無が変わるので、相対敬語と呼ばれます。
まとめ
絶対敬語と相対敬語について簡単に説明しました。
もちろん韓国語が絶対敬語、日本語が相対敬語の傾向が強いというだけで、どちらの言語にもそうでないケースもみられるようです。
例えば、日本語も昔は絶対敬語だったそうですし、現在も方言では身内に敬語を使うなど絶対敬語的な使い方も見られるようです。