語種とは
ことばをその出自により分類したものを、語種といいます。
普通、日本語の語種は以下の4つといわれています。
- 和語
- 漢語
- 外来語
- 混種語
この記事では、この4つについて説明します。
ただ、語種は出自によるものといいましたが、実際にどこからその語が来たかというより、どこから来たかと私たちが考えているかによる区別になります。
というのも、日本語というものがが、いつ、どこから渡ってきた言語をベースに作られたかがそもそもわかっていないため、語の出自はそもそもあいまいなところが多いからです。
和語
和語とは
和語は日本語にもともとあったことばのことです。
「やまとことば」ともいわれます。
和語は日常で使われることばによく見られます。
国立国語研究所が実施した現代雑誌90種における語種調査だと、和語は延べ語数の53.9%を占めるといわれています。
必ずではありませんが、ひらがなの語や、訓読みで読むものは「和語」のことが多いです。助詞や助動詞も和語になります。
例
- 寝る、話す、書く、聴く
- やさしい、かわいい、楽しい
- 山、川、さくら
- だけ、ばかり、は、ね
漢語
漢語とは
漢語は、基本は古典中国語から入った語のことで、音読みで読むものです。
(音読みの種類については以下の記事をご覧ください)
音読み日本語の漢字には音読みと訓読みがありますが、音読みも、漢字が伝わった時代等により、複数の読み方があります。例えば、「明」という字は、「ミョウ」「メイ」「ミン」と呼び方があり、それぞれ「呉音」「漢音」「唐音」と呼ばれています[…]
「古典中国語から入った語」といいましたが、「和製漢語」といって日本で作られた漢語もあり、それも普通「漢語」に入れられます。
漢語については、「音読みで読む語」として「字音語」と呼ぶ人もいます。
和製漢語とは和製漢語とは、日本で作られた漢語のことです。漢字・漢字自体は、西暦57年に後漢の光武帝が倭の国王に与えた「漢委奴国王」の金印も残っており、1世紀ごろには伝わっていたと考えられています。ただ、漢語・漢字が書記用として使[…]
例
- 就寝、交流、執筆、山脈、河川
- (和製漢語)哲学、経済、科学、自由
外来語
外来語とは
外来語は、漢語以外の、外国から来たことばです。
室町時代に伝わったポルトガル語、江戸時代に伝わったオランダ語などをはじめ、英語・フランス語・イタリア語など様々です。
西洋諸言語のことばが多く、カタカナで表記されることが多いです。なお、近代中国語は外来語に入れられます。
なお、外来語は増加傾向にあるといわれています。
国立国語研究所が実施した、現代雑誌における語種調査によると、異なり語数では外来語が1956年の 9.8%から 1994年には35.8%に増えていたようです。( 山崎・小沼 2004)
また、「コンビニエンス・ストア」を「コンビニ」、「パワーハラスメント」を「パワハラ」、「スマートホン」が「スマホ」というなど、長い単語は、日本語でよくつかわれる拍の長さ(2~4拍)にあわせて使われることが多いです。
「和製外来語」といって、日本語で作られたものもあります。
例
- (ポルトガル語)カステラ、パン、ボタン
- (オランダ語)アルコール、エキス、レンズ、オルゴール
- (英語)インターネット、コンピュータ、スポーツ
- (フランス語)アトリエ、クレヨン、シャンソン、アラカルト
- (和製外来語)サラリーマン、レンジ、ペットボトル
混種語
混種語とは
混種語は、和語・漢語・外来語を組み合わせたことばです。
組み合わせ方は下記の例のように様々です。
例
- アルバイトする=「アルバイト(外来語)」+「する(和語)」
- 長ズボン=「長(和語)」+「ズボン(外来語)」
- スマホ中毒=「スマホ(外来語)」+「中毒(漢語)」
- 読書する=「読書(漢語)」+「する(和語)」
- メール送付先=「メール(外来語)」+「送付(漢語)」+「先(和語)」
まとめ
日本語の語種(和語・漢語・外来語・混種語)についてまとめました。
何かのお役に立てれば幸いです。