音読み
日本語の漢字には音読みと訓読みがありますが、音読みも、漢字が伝わった時代等により、複数の読み方があります。
例えば、「明」という字は、「ミョウ」「メイ」「ミン」と呼び方があり、それぞれ「呉音」「漢音」「唐音」と呼ばれています。
この記事ではこの呉音・漢音・唐音について紹介します。
呉音
呉音とは
呉音(ごおん)は、5~6世紀の中国南部の揚子江下流域の音と言われています。
朝鮮の百済から7世紀ごろまでに伝わったといわれています。
特徴
仏教の経典など、仏教関係のことばに多く残されている読み方です。
また数詞(一、二、三)や、日常用語に残されています。
例
- 色(シキ)
- 境内の「内」(ケイダイ)
- 修行の「行」(シュギョウ)
- 天女の「女」(テンニョ)
- 怨霊の「霊」(オンリョウ)
漢音
漢音とは
漢音は、中国の黄河中流地方(北朝)の音といわれています。
7~8世紀の奈良時代から平安初期にかけて、遣唐使や留学僧たちが伝えたものです。
また、桓武天皇が792年、漢音奨励の勅を出し、呉音を廃して漢音の使用を推奨したこともあり、幅広く使われるようになります。
ただ、その時に呉音もすでに広く普及していたため、呉音も今日まで残ることになります。
特徴
日本語の漢字の音では最も多いといわれています。
例
- 内部の「内」(ナイブ)
- 行動の「行」(コウドウ)
- 女性の「女」(ジョセイ)
- 幽霊の「霊」(ユウレイ)
唐音
漢音とは
唐音は、唐宋音や宋音ともいわれます。中国江南の浙江地方の音と言われています。
これは平安中期以降から江戸時代に、貿易や禅僧を通して伝わったものです。
特徴
呉音・漢音のように体系的に存在しているものではなく、一部の語彙に使われています。
唐音で読む漢字はそれほど多くありません。
例
- 行灯(アンドン)
- 挨拶(アイサツ)
- 暖簾(ノレン)
- 提灯(チョウチン)
- 納戸(ナンド)
まとめ
呉音・漢音・唐音についてまとめました。
また、この3つの見分け方としていくつか法則があるようです。次のサイトに説明されていましたので、ご興味のある方はこちらもご覧ください。