「のだから」「んですから」について

「のだから/んですから」について

「のだから/んですから」の使用時の注意点などについて書きます。

参考にしたのは、下記の本のp. 52-53です。

  • 小川・三枝(2004) 日本語文法演習 ことがらの関係を表す表現 ―複文― . スリーエーネットワーク

↑上級レベルの文法演習シリーズで、細かい違いをわかりやすく説明しています。

 

「のだから/んですから」の注意①

上記の本では「のだから」「んですから」について以下のように説明しています。

Xは聞き手が知っている内容だが、話し手は聞き手に十分に認識させたいと思っていて、主張・命令・依頼・勧誘したり、勇気づけたりするときに使う。(p. 52)

 

例えば、以下のような例があります。

  1. 彼は何言っても聞かないんだから、諦めたほうがいいよ (主張)
  2. もう子供じゃないんだから、自分のことぐらい自分でしなさい (命令)
  3. せっかく来てくれたんだから、ゆっくりしていってください(勧誘)
  4. 毎日たくさん練習したんだから、明日はきっと大丈夫だよ(勇気づけ)

 

上記の例の前件の「彼は何を言っても聞かない」「子どもじゃない」「せっかく来た」「毎日練習した」という内容は、聞き手もしっている内容ですが、話し手はそれをあえていっています。

また、後件には、主張・命令・勧誘・勇気づけなどの文がくることが多いです。

 

後件が平叙文だと少し不自然に聞こえることもあります。

  1. ?子どもなんだから、外で遊んでいます。
  2. ?試験が近いんだから、勉強します。
  3. ?熱があるんだから、仕事を休みます。

 

この場合、

  1. 子どもなんだから、外で遊んでいなさい
  2. 試験が近いんだから、勉強したほうがいいよ
  3. 熱があるんだから、仕事は休んだほうがいいんじゃない

といったように、主張・命令・勧誘・勇気づけなどの文がきた方が自然に聞こえるのではと思います。

 

「のだから/んですから」の注意②

また、上記の本では、「のだから/んですから」の使用について、以下の注意もしています。

自分の都合で依頼したり、断るときに、「んですから」で理由を述べると押しつけがましくなるので、この場合は好まれない。(p. 53)

 

例えば、以下のような例があります。

  1. ?バスが遅れたんですから、授業を休みました。
  2. ?申し訳ありませんが、予定が入っているんですから、この日は難しいです。
  3. ?この問題がわからないんですから、教えてもらえませんか。

このように使うと、少し押しつけがましい感じにきこえるので、「バスが遅れたので」「予定が入っているので」「わからないので/わからないんですが」を使ったほうがいいかと思います。

 

まとめ

「のだから・んですから」についてまとめました。

上級でも「のだから」を多用しがちな学習者もいるので、そういうときに上記の本などを使って復習すると効果的かと思います。