宣言的知識とは
宣言的知識(declarative knowledge)とは、事実や原理、概念などに関する知識です。
意識的に理解されていて、多くの場合、言語化することができます。
言語学習だと「英語では主語が3人称単数現在形のときsをつける」など、文法規則は宣言的知識に入ります。
「現在日本の都道府県は47ある」とか、「東京は日本の首都である」、「1+1=2である」「母の好物はみかんだ」などの事実・原理・概念に関する知識も宣言的知識です。
英語だと、宣言的知識はよく「knowing THAT..」(「~と言うことを知っている」)と説明されます。
手続的知識とは
手続的知識は、「やり方(procedure)」に関する知識です。英語だとよく「knowing HOW」と説明されます。
手続的知識は意識的に言語化ができないことも多いです。ただ、その知識を使って行動ができます。
手続的知識の例は、自転車に乗り方や、水泳の息継ぎの仕方、パソコンの入力のし方などです。
自転車に乗るとき、どうやって体のバランスをとっているのか、右足と左足はどういう動きをしているのか、その乗り方を言語化するのはなかなか難しいです。
でも、自転車に乗っている人は、その乗り方を知っています。つまり、自転車の乗り方に関する手続的知識を持っています。
水泳の息継ぎの仕方も、最初は水泳の先生に説明してもらったかもしれませんが、慣れると意識せずともできるようになります。
これもやり方を知っているということです。
パソコンも、入力するときにいちいち「ひらがなを漢字に変換するときはスペースキーを押す」など意識的に考えていない人が多いと思います。
でも、入力の仕方を知っており、手続的知識を持っていると考えらえます。
言語教育でも、英語が上達すると、いちいち「英語では主語が3人称単数現在形のときにsをつける」と意識しなくても、英語で話すときに自然に「三単現のs」をつけられるようになります。
また、母語話者は自分が言語を話すときに、いちいちその文法規則を意識しません。
この場合もその言語の使い方をしっている、つまり手続的知識を持っているということになります。
まとめ
宣言的知識は、事実や原理、概念などに関する知識、手続的意識は、やり方(procedure)に関する知識のことを言います。
言語教育では、この2つを分けて考えることが多いです。
言語教育では文法などの「宣言的知識」を教えるだけでなく、それを「手続的意識」にするための活動も必要とよく言われます。