Zalaltdinova(2018):アドバイス・提案場面での英語学習者のモダリティ使用

Zalaltdinovaの英語学習者のモダリティ使用

Zalaltdinovaの以下の論文を読みました。

英語学習者がアドバイス・提案をするときのモダリティ表現を、レベル別に調査していました。

データとして使ったのは、EF-Cambridge Open Language Databaseの中の、中国・ブラジル・ドイツの英語学習者の270の作文です。

これらの作文を、3つ(MANOVA、VanValenのテスト、判別関数分析(DFA))の分析手法を使い、量的に分析していました。

 

レベル・社会文化背景による違い

傾向としては、初級学習者はどのモダリティ表現を使っていいかわからないからか、認識的モダリティ(could, wouldなど)・義務的モダリティ(must, shouldなど)のどちらも使用していたようです。

中級学習者になると、母語話者の規範に沿うような形で、認識的モダリティ(could/would)の使用が増えたようです。

また、中級学習者は認識的モダリティである「I think」や「I believe」を上級学習者より多用していたようです。

 

上級学習者になると、認識的モダリティも使うのですがそれだけでなく、時には命令形を使うなど、もっと自由に言葉を使うようになっていたと言っていました。

上級学習者になる程、母語話者の使用に近づくという結果にはならなかったようです。

 

また、この研究では中国・ブラジル・ドイツの学習者グループ間で顕著な差異はみられず、社会文化背景による違いは認められなかったようです。