規範文法と記述文法の違いについて

規範文法とは

規範文法(prescriptive grammar)とは、「規範」という言葉でもわかるように「言語はこうあるべき」という考え方に基づく文法です。

 

学校で学ぶ文法規則などは規範文法にあたります。

 

「お釣りは150円になります」という表現をよく聞くという方は多いと思います。

お釣りが「なる」というのは、規範文法に基づくと間違いで、正しくは「お釣りは150円です」にすべきということになります。

 

規範文法は、適切で正しい文法を定めるものです。

 

規範文法は、言語を保護・保持する目的で使われることも多いです。

 

 

記述文法とは

記述文法とは、逆に、話者が実際に産出する文を観察するものです。

 

「お釣りは150円になります」という表現については、「正しくない」と評価をするのではなく、これがどういう場面で使われるのかを観察します。

 

この言語使用が優れているとか、こういう言語を使えというふうには考えず、実際の言語使用を文字通り「記述」するのが記述文法です。

文法研究などはこの立場で行われます。