「Translation and power」序章読了。翻訳と権力(パワー)との関係についてです。

Tymoczko and Gentzler(2002)の「Translation and Power」の序章だけ読めたので読んでみました。

  • Tymoczko, Maria, and Edwin Gentzler. Translation and power. Univ of Massachusetts Press, 2002.

翻訳研究というのも、原文と翻訳文のEquivalence(等価性)を調べたりする研究から、翻訳の目的や社会的背景に目を向けた機能アプローチ的研究、そしてポスト構造主義・ポストコロニアリズムに影響を受けた権力関係などを見る研究、最近ではメディアやテクノロジーにおける翻訳など、時代時代ではやりがあるみたいですね。

標題の本は、タイトルの通り、翻訳とパワーバランスについて書いてます。翻訳は権力を構築し、維持し、また抵抗する際にも使われてきたと言っていました 。また、翻訳というのは中立ではありえなくて、翻訳者と著者、原文、翻訳文の間にもパワーが関係していて(p. xxviii)、翻訳者の主体性というのも注目されているというようなことを言っていました(p. xvi)。

この本を読んでみたいなと思ったのですが、近くの図書館にはないようで、残念です。