言語政策・計画研究をしたい人のために研究手法を紹介した本:Research methods in language policy and planning

言語政策・計画とは

言語政策・計画(language policy & planning(LPP))というのは、学際的な分野で、多様な研究がなされています。

家庭や学校などでどう言語が使われているかを調べたりするようなものから、ある国・地域レベルで言語政策がどう発展してきたかを歴史的に考察ようなものまで、扱う幅も広いように思います。

Ricento (2000)によると、1950年-1960年頃は、脱植民地化や国家形成に伴う社会構造の変化を考察するものが多かったようですが、1970年-1980年頃は言語・教育における不平等に注目したような批判的なアプローチが増えたようです。1990年からは人の移動の増加に伴い、言語権などの問題や、家庭・職場・学校などのミクロレベルでの研究も多くみられると言っていました。

従前は研究手法として人口統計や大規模調査が多かったのですが、今は、エスノグラフィーやディスコース分析なども増え、研究手法も多様化しているようです。

研究を始めたい人のために

言語政策・計画関係の研究を始めたいときに参考になる本として、以下の研究手法を紹介した本を教えてもらいました。

  • Hult, Francis M., and David Cassels Johnson. Research methods in language policy and planning: A practical guide. Vol. 7. John Wiley & Sons, 2015.

第1部では、言語政策について研究を始める際に考えなければいけない点について記載しているようです。リサーチクエスチョンなどを考えたりするときに参考になりそうです。

第2部は13章で構成されており、様々な研究の手法について紹介しているようです。

第3部は、言語政策・計画研究を使って社会に働きかけていくときに参考になる例などを書いているようです。