下記の本の中のHammadou(1991)のチャプターを読みました。
- Hammadou, JoAnn. “Beyond language proficiency: The construct of knowledge.” Critical issues in foreign language instruction (1991): 251-275.
アメリカの政策文書などではよく、「教師はトピックに関する知識(subject matter knowledge)が必要だ」と書かれているそうなのですが、Hammadouは、その「トピックに関する知識(subject matter knowledge)」が一体何なのかを明確にする必要があると言っていました。
Hammadouは、Grossman, Wilson and Shulman(1989)を引用して、このトピックに関する知識は以下の4つに分けられるといっています。
①内容に関する知識(content knowledge)
外国語の先生だったら外国語そのものについての知識や、言語教育についての知識ということだと思います。
②根底にある重要な知識(substantive knowledge)
根底にある知識と理解しましたが、つまりその分野ではどういう理論的枠組みやパラダイムが使われているかということだそうです。例えば、ポストモダン、実証主義、社会構築主義などの大きな理論的枠組みや、その分野での歴史的な流れのことだと理解しました。
③方法に関する知識(syntactic knowledge)
方法やプロセスに関する知識と理解しました。新しい知識が入ってきた時に、それを受け入れるのか拒否するのかなどを調べる方法・プロセスなどのことのようです。
④トピックに関する信念(belief about subject matter)
自分がどういうふうにトピックについて捉えているかということだそうです。
また、トピックに関する知識とは別に「教育内容に関する知識(pedagogical content knowledge)」も挙げていました。
これは、自分の知っている内容を、学生に分かりやすい形で伝えるための知識だそうです。
アメリカの文脈で書かれた本で、結構古い(1991年)ことと、自分の知識不足もあってか、「subject matter knowledge」という言葉にもあまりなじみがなく、「subject matter knowledge」を明確にする前に「subject matter knowledge」っていったいなんなんだろうという感じでしたが、自分の研究にとっても参考になる部分はありそうです。