「ーまい」と「ものか」の違いについて

参考にした本

「ーまい」と「ものか」の違いについて聞かれたのでまとめておきます。参考にしたのは以下の本です。

参考にしたのは、以下の本のp. 218-p.223です。

  • 市川保子. 中級日本語文法と敎え方のポイント. スリーエーネットワーク, 2007.

↑中級学習者が疑問に思うポイントをわかりやすくまとめている本です。

 

ものか

「ものか」というのは、「絶対にするつもりはない」と強い否定の意志を表すための表現です。

  • あの人にはもう二度と会うものか。
  • あんな失礼な店にはもう行くものか。

この場合、上の文だと、「あの人とは絶対にもう二度と会わない」、下の文だと「あんな失礼な店には絶対にもう行かない」というような意味になります。

 

まい

「まい」というのは、2つの用法があります。

一つは、「ものか」と似ている用法で、否定の意志です。

  • あの人には二度と会うまい。
  • あんな失礼な店にはもう行くまい。

この用法は「あの人には二度と会うつもりはない」「あんな失礼な店に行くつもりはない」というような意味となります。

「ものか」と似ていますが、「ものか」よりは否定の度合いは多少低いかと思います。

 

もう一つは、否定の推量です。これは「ものか」とは意味が変わってきます。

  • 誰も信じてくれまいが、これは本当にあったことだ。
  • 私がどんなに辛い思いをしたか、君にはわかるまい。

このときは「信じてくれないだろう」「君にはわからないだろう」という推量の意味になります。

 

また「まい」は書き言葉でよく使われます。