Juliane Houseの言語・文化間のコミュニケーションとしての翻訳に関する講演を視聴しました②

言語・文化間のコミュニケーションとしての翻訳

今回は、Berkeley Language Centerで2017年4月7日に行った講演を視聴しました。

Houseは2015年に下記の本を出版しているようです。今回の講演の内容もこの本に含まれているのではと思います。

  • House, Juliane. Translation as communication across languages and cultures. Routledge, 2015.

 

 

第3の場所

まず、Houseは翻訳には言語的アプローチと文化的アプローチがあるようですが、言語には文化が含まれているので、この区分をすべきでないといっていました。

Houseによると、翻訳はある文脈で作成された文を、別の文脈に移し替えることだそうです「recontextualization」と呼んでいました)。

この移し替える作業では、翻訳者は、起点文化・目標文化の間の第3の場所で作業しなければならず、原文に解釈を加えるにあたっては、何らかの文化フィルターが働くといっていました。

ドイツ・英語の児童書や広告などの翻訳例を通して、こういった文化フィルターが実際にどう働いているかなどを説明した後、最後にはグローバル・イングリッシュや翻訳者養成についても触れていました。