会話分析の主要な概念について③:Preference(選好)

会話分析とは

会話分析は、自然な会話を分析し、どういったタイミングで話者が交替するのか、会話の修復はいつ起こるのかなど、その規則を探るものです。昨日に引き続き、この会話分析の主要な概念について、記載しようと思います。

この記事は、今までの知識とウェブなどの情報を参考に記載しています。あくまで「二次的情報」をもとにした記事なので、原書に当たりたい方は、以下の本がおすすめです。

  • Jaworski, Adam, and Nikolas Coupland. The discourse reader. Routledge, 2014.

↑会話分析(それ以外も入っていますが)で影響力の大きかった論文がまとめてあります。

会話分析については、以下の入門書もあります。

  • Sidnell, Jack. Conversation analysis: An introduction. John Wiley & Sons, 2011.

 

Preference(選好)

選好という概念もよく会話分析で出てきます。

何かに対して応答するときに、「好まれる回答(preferred responses)」と「好まれない回答(dispreferred responses)」があるといわれています。

例えば、何かを依頼されたときや何かに招待されたときに、肯定的に返事をするのは、「好まれる回答」で、拒否するのは「好まれない回答」になります。何が「好まれるか」「好まれないか」は社会的に決まってくるものです。

 

好まれる回答・好まれない回答の特徴

この好まれる回答・好まれない回答には以下のような特徴があります。

  • 好まれる回答の場合は、応答までの時間が短い。例えば、依頼されたときに、それに肯定的に答える場合は、すぐに「はい」や「いいよ」と、すぐに応答し、回答も簡潔な傾向にあります。
  • 好まれない回答の場合は、逆に、応答までに時間がかかります。また、間接的な緩和表現(「やれるならやりたいんだけど」や「本当に申し訳ないんですけど」)が使われたりします。

 

詳しく知りたい方

このPreferencesについては以下の論文に詳しく記載されているようです。

  • Atkinson, J. Maxwell, and John Heritage, eds. Structures of social action. Cambridge University Press, 1984.
  • Levinson, S. C. (1983). Pragmatics. Cambridge: Cambridge University Press

 

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