「ではないか」「のではないか」
「ではないか」と「のではないか」は以下のような違いがあります。
「Aではないか」:反論
「Aのではないか」:主張のやわらげ
ただし、Aが名詞・ナ形容詞の場合は「Aではないか」が「Aのではないか」と同じ意味にも使われる。
以下、これについて例を見ながら考えてみたいと思います。
例1
以下の2つの文を比べてみてください。
- 全然電話がつながらないなあと思っていたら、なんと番号が間違っているではないか。
- 全然電話がつながらない。もしかして番号が間違っているのではないか。
上の1の文だと「番号を間違えていた」ということを、強く言っています。
「ではないか」は、何かに対する反論や強い意見を言うときに使います。
上の2の文だと「番号が間違っているかもしれない」という意味になります。
「のではないか」は、「そうかもしれない」と主張をやわらげるときに使います。
例2
もう1つ例を見てみましょう。
- なんで彼を責めるんだ?彼は間違っていないではないか。
- 部長は彼を責めていたけど、彼は間違えていないのではないか。
上の1の文だと「彼は間違えていない」と相手に反論をしています。
上の2の文だと「彼は間違えていないと思う」と、やんわりと主張しています。
名詞・な形容詞が前に来る場合
ただ、名詞やナ形容詞が「ではないか」の前にくる場合は、注意が必要です。
「ではないか」が「のではないか」と同じ意味に使われることもあります。
- こんなときこそゆっくり休んで考えることが必要ではないか。
- こんなときこそゆっくり休んで考えることが必要なのではないか。
この場合「必要ではないか」は、強く意見をいう意味と、主張をやわらげる意味の両方で使うことができます。(文脈によって意味が変わります)
参考にした本
「ではないか」と「のではないか」の違いについては、以下の本のp. 15に詳しい説明があります。この記事を書く際も参考にしました。
- 三枝 令子 (2003). 日本語文法演習 話し手の気持ちを表す表現―モダリティ・終
助詞 . スリーエーネットワーク
練習問題もあるので、問題を解きながら理解を深めることができます。
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