マルチリンガルな場面でのアイデンティティ交渉
- Pavlenko, Aneta, and Adrian Blackledge, eds. Negotiation of identities in multilingual contexts. Vol. 45. Multilingual Matters, 2004.
上記の本は多言語話者のアイデンティティに関する論文をまとめたものです。
第1章に編者のPavlenkoとBlackledgeがこの本の論文に共通するアイデンティティ研究の枠組みについて提示していたので、読んでみました。
アイデンティティの枠組み
この本でも、アイデンティティは所与のものというより、対話の中で構築されるものという立場をとっていました。また、自らの提示するアイデンティティの枠組みの特徴として以下の5つを挙げていました(私の解釈です。詳しくは本文をご覧ください)。
- その場・その場のディスコースの中で生まれてくるものである
- グローバル・ローカルなパワーの影響を受ける
- アイデンティティは一つではなく複数であり、断片化しており、ハイブリッドなものである
- 新たなアイデンティティが構築される際には想像力(imagination)が重要な役割を果たす
- ナラティブはアイデンティティ研究に役立つ