モダリティ、ヴォイス、アスペクト、テンス
この前、モダリティ、ヴォイス、アスペクト、テンスについての記事を書きました。
こういった文法項目を学ぶためのスリーエーネットワークの日本語文法演習シリーズについて紹介します。
この日本語文法演習シリーズは、文法項目の要点が非常に簡潔にまとめられているので、教師側の知識の整理としても使いやすいと思います。
モダリティ
- 三枝・中西(2003)日本語文法演習 話し手の気持ちを表す表現―モダリティ・終助詞 上級. スリーエーネットワーク
モダリティ・終助詞は、その概念自体は理解はできても自分では使いづらいと思う学習者が多いようです。この本では、モダリティの使い方、使い分け方を練習問題をしながら学べます。
モダリティ表現としては、以下の表現をカバーしています。
- 断定を避ける表現(「わけではない」「Aないことはない」「と思う」など)
- 否定(「のではない」「わけではない」など)
- 想像して述べる表現(「だろう」「のだろう」「恐れがある」など)
- 様子を述べる表現(「ようだ」「らしい」)
- 意志(「う・よう」「つもりだ」など)
- 義務・必要(「べきだ」「なければならない」など)
- 可能・不可能「ようがない」「わけに(は)いかない」など)
終助詞は「よ」「ね」などの基本的なものの他、「って」「っけ」なども含まれています。
ボイス
- 安藤・小川(2001)日本語文法演習 自動詞・他動詞、使役、受身―ボイス 上級 スリーエーネットワーク
中級後期ぐらいから使うといいのではと思います。自動詞・他動詞はよく間違えますし、使役・受け身も意味がわかっていても、自分では使えないことが多いので、産出を促すための文法練習の一環として使えるのではと思います。
意味や機能の確認だけでなく、その使い方、類似表現との使い分けなども記載しています。
テンス
- 庵・清水(2003)日本語文法演習 時間を表す表現-テンス・アスペクト 上級 スリーエーネットワーク
「~する、~した、~している、していた」を中心に学びます。これらは初級で学んでいるのですが、細かいところまでは学ばないので、上級にいっても、「する」「している」をいつ使えばいいのか迷う場面がよくあります。
この本だと細かいところまで網羅しているので、体型的にテンス・アスペクトについて学ぶことができます。他の文法演習シリーズと同様、まず「ウォームアップ」の問題があり、学習者が理解しているか確認ができます。その後、「問」を解きながらルールを学び、そのルールを「まとめ」で確認したあと、さらに練習問題ができるようになっています。