成員カテゴリー化分析について

成員カテゴリー化分析について

成員カテゴリー化分析は、会話分析の方法の一つで、この前も少し紹介しました。

Membership categorization analysis(MCA)についての論文を読みました。

今回は、以下の本のp. 32-38でもう少し説明されていたので、メモしておきます。

  • 鈴木聡志. 会話分析· ディスコース分析: ことばの織りなす世界を読み解く. 新曜社, 2007.

 

ちなみに上記の本は、会話分析・ディスコース分析など幅広く網羅しており、会話分析・ディスコース分析の概説や、研究例、研究方法なども紹介しています。

 

成員カテゴリー化装置(membership categorization device)

この前の記事でも書きましたが、「性別」「職業」「発達段階」など、カテゴリーの集合を成員カテゴリー装置(membership categorization device)といっています。例えば、「性別」というカテゴリー内には「男性」「女性」などが含まれます。

この成員カテゴリー装置には以下の2つの規則もあるようです。

  • 一貫性規則

カテゴリー化を行うときに、最初の人がカテゴリー化したやり方が、それ以降の人にも当てはまり、カテゴリー化される側もそれを期待していることを一貫性規則というようです。(鈴木 2007, p. 33)

例えば、私が何かのイベントを企画していて、メンバーの人を「受付係、会計係、広報係」などに分けていくとします。そのときに、突然「受付係、会計係、男性、お父さん、広報係」などといったように、違うカテゴリーを入れるのは適切ではないということのようです。

  • 経済規則

ある人を特徴づけるのは、一つのカテゴリーで十分ということだそうです(鈴木 2007, p. 34)

例えば、上記のようなイベントの企画の際には「会計係」、家族について話すときは「父親」など、一つのカテゴリーだけでその人を特徴づけることができるということのようです。