今日は「TRANSITIVITY」分析について少し紹介しようと思います。この前紹介した6つのプロセスタイプについての詳細です。昨日の記事で6つのうち3つを紹介したので、この記事では残りの3つを紹介します。
Systemic functional linguistics(SFL)の参考文献
参考にしているのは以下の本です。
- Halliday, Michael, and Christian Matthiessen. An introduction to functional grammar. Routledge, 2014.
もちろん、それだけでなく、この前の紹介記事でも記載した、以下の入門書も参考にしています。
- Eggins, Suzanne. Introduction to systemic functional linguistics. A&C Black, 2004.
Verbal
Verbalというプロセスタイプは、その名のとおり、「言う」という行為とそれに関係するものです。
Say, ask, tellなどがそれに入ります。
VerbalのプロセスタイプのParticipantsは以下のとおりです。
- Sayer―言う人
- (Receiver)―言われる人
- (Verbitage)―言ったこと
Existential
Existentialというのは言葉通り存在しているということです。
There is/was 構文がこれに当たります。
それ以外にもthere exists/arises/occursなどもこのexistentialに入ります。
Participantsは以下のexistentのみです。
- Existent―存在しているもの
There is a pen. といった場合、penがexistentになります。
Relational
Relationalはbe、possess、become、representなどの属性・保有などに関係します。
- X is Y
- X has Y
- X is at/in Y
などといった構文がこれに入ります。
また、Relationalはattributeとidentifyingに細分化されます。
attributeというのは、その人・ものの性質・分類(attribute)を示すものです。
例えば以下のような文が入ります。
- She is cute.
- He has a daughter.
- He was at home.
attributeのプロセスタイプのParticipantsは以下のとおりです。
- Carrier―形容される人・物
- Attribute―形容される内容
identifyingというのは、ある人・物のアイデンティティを示すものです。identifyingの場合は、A=BをB=Aに置き換えるか、受け身文を作ることができます(attributeではそれはできません)
- Anna is the president.
- He owns this house.
- The trees surround our home.
上記の文だと、The president is Annaと置き換えたり、This house was owned by him/Our home is surrounded by the treesと受け身文を作ることができます。
identifyingのプロセスタイプのParticipantsは以下のとおりです。
- Token―Valueによって指定・定義される人・物
- Value―ある人・物のアイデンティティ
他の分析・記述方法についても書きたいのですが、このシリーズは一回休止して、また時間ができた時に記事を追加していこうと思います。