前も紹介した(詳しくはこちら)以下の入門書のp.iiiに訳出方法の違いについての説明がありました。私自身、結構あいまいに用語を使っていたことがあったので、しっかり定義しなければならなかったなと反省しました。勿論以下の分類は一般的なもので、使用者により定義は異なるかと思いますが、備忘録として残しておきます。(以下p.iiiの定義のまとめです)
- 鳥飼 玖美子編(2013)「よくわかる翻訳通訳学」ミネルヴァ書房
- 逐語訳(word-for-word translation)
1語ずつ順に語順を再現して訳出する方法。類似の言語でない限り、理解しづらい文になることもある。聖書など原典を忠実に再現したいときなどには有効。 - 直訳(literal translation)
逐語訳と似ているが、2語以上を単位として訳すこともある。ぎこちない訳になることが多いが、芸術的なテキストなど表現の形が重要な場合には有効。 - 意訳(sense-for-sense translation)
内容を重視した訳出法。読みやすさを重視する際には有効。 - 自由訳(free translation)
「自由」の定義次第で訳出法はかわる。「自由」を起点テキスト(source text)の語順の再現からの自由と捉えた場合は、起点テキスト(source text)の形式に従わないものが自由訳になり、目標言語・文化の慣習からの自由と捉えた場合は、目標言語の文体・表現では一般的でない逐語訳に近い訳も自由訳となりうる。