第二言語学習におけるLanguagingの役割についての備忘録

前回の記事で「languaging」について紹介しましたが、第二言語学習における「languaging」の役割について、以下の論文で先行研究の章(p. 218-219)で言及していて、役に立ちそうだったので記録しておきます。(この章の本題についてはまた今度言及できればと思います。)

  • Källkvist, Marie (2013) Languaging in translation tasks used in a university setting: Particular potential for student agency?. Modern Language Journal 97 (1) 217-238.

下記の引用論文は私自身はほとんど読んでおらず、引用の引用ですので、ご注意ください。
上記の論文において、languagingは、考えていることを言葉に発すること(そして他の学習者とそれについて話し合うこと)といった意味合いで使われているようです。

Languagingによる効用としては、他の学習者とともに話し合うことで、「気づき」が増えること (Kuiken & Vedder, 2002)、質の高いlanguagingを多数することで文法概念の理解が深まること (Knouzi et al., 2010; Swain et al., 2009)などが報告されているようです。

学習者が、言語について語ることで、自分の頭の中の整理ができたり、新たな発見ができたりするということなのかなと思います。

ただ、学習者が他の学習者と話し合う中で、間違えた答えにいきつく場合もあり(Kowal & Swain, 1994; Leeser, 2004; Storch, 1997, 2002; Swain, 1998)、教師などのサポートやフィードバックも重要になってくるといわれています (Antón, 1999; Basturkmen, Loewen,&Ellis, 2002; Fortune, 2005; Storch, 2002; Swain, 1998; Toth, 2008)。

Languagingについては下記の本の章でも紹介されていました↓

  • Swain, M. (2006). Languaging, agency and collaboration in advanced second language proficiency. In H. Byrnes (Ed.), Advanced language learning: The contribution of Halliday and Vygotsky (pp. 95–108). London: Continuum.