コミュニティ通訳で有名なHaleの本の日本語訳が出版されていました。

コミュニティ通訳というのは、国際会議などの場ではなく、司法、医療、行政、学校などのコミュニティ内での通訳を指します。私は専門ではありませんが、オーストラリアでは盛んに研究されているようで、Sandra Haleはその第一人者の一人です。

  • Sandra Hale (2008). Community Interpreting (Research and Practice in Applied Linguistics). Palgrave Macmillan

全然知らなかったのですが、日本語でも彼女の著書の翻訳本が去年出版されたそうです。

  • サンドラ ヘイル(2014)「コミュニティ通訳―オーストラリアの視点による理論・技術・実践」 文理閣

彼女の講演を一度聞いたことがありますが、翻訳者の役割について考えさせられた記憶があります。

一つ覚えているのが、彼女の法廷通訳の研究についてです(詳細は間違っているかもしれません・・・・。また今度確認できればと思います)。彼女の研究では、逐次通訳・同時通訳・通訳なしの3つのパターンで模擬の裁判をさせたそうです。結果としては、逐次通訳のほうが同時通訳・通訳なしよりも信頼性が高いと思われ、裁判官を説得させられる場合が多かったそうです。この模擬裁判ではプロの通訳者を雇い、その通訳が非常ににプロフェッショナルで正確な英語で通訳したそうで、翻訳者の存在がより明らかとなる逐次通訳では、この通訳者の印象が残ったのではといっていました。

日本語だと(訳がよければ)読みやすいですし、また機会があれば上記の本も読んでみたいです。