言語のクラス内での文化の扱い方についてのHall (2013)の第6章を読みました。

以下の本の第6章「Language and culture as curricular content」を読みました。

  • Hall, Joan Kelly. Teaching and researching: Language and culture. Routledge, 2013.

この中では、まず応用言語学の分野で、言語と文化に関する知識についてどう定義されてきたかを概観した後、言語クラスで文化を取り入れる方法の例として、以下の3つを挙げていました。

  • Critical pedagogy
  • Project-based learning (PBL)
  • Multiliteracies project

クリティカル・ペダゴジーはPaulo Freireの影響を受けて発展したもので、ただ知識を伝達するだけではなく、学習者自身が自らの属する社会に積極的に関与し、学習言語を使って自ら主張できるようになれるような教育を目指します。

プロジェクト・ベースド・ラーニング(PBL)は、大学教育ではよく行われている手法かと思いますが、ある課題に対して、学習者が調査したり、その解決法などを探ったりするものです。言語のクラスではPBLの一種としてよく「pragmatic ethnography(Damen, 1987)」というものが取り入れられるともいっていました(p. 124)。これはエスノグラフィーの手法を使って、インタビューや観察等を行いますが、研究目的というより、あくまで現実的・個人的な目的で行うものだそうです。

マルチリテラシーズプロジェクトというのは、New London Groupという学者グループが提言したものです。詳しくはこちらの備忘録をご覧ください。