昨日の動画(詳しくはこちら)でちらっと紹介されていたのですが、翻訳の普遍性(翻訳は原文より、意味が明確になり(explication)、また複雑な語彙・文法が減り単純化される(simplification)傾向にあるなど)を探る研究の中で、「unique items hypothesis」というのが提唱されているようです。
Unique Items hypothesisとは、Tirkkonen-Condit (2002)が提唱した概念で、翻訳テキストは、原文よりも「unique items」が減るという仮説だそうです。「unique items」とは、ある言語に特有の概念で、その他の言語には直接翻訳できないような語彙・表現のことのようです。
原文の特有の概念は翻訳では言い換えなどするでしょうし、また、翻訳するときにあえてその言語に特有の概念を使うことも少ないでしょうから、「unique items」が減るということなのかなと思います。
何が「unique items」なのかという点については議論もあるようですが・・・。
詳しくは以下の本のChestermanの論文でも概説されているようです。
- Chesterman, Andrew (2007) What is a unique item? In Yves Gambier, et al. Doubts and Directions in Translation Studies: Selected Contributions from the EST Congress, Lisbon 2004. John Benjamins.