2015年5月15日に英国エディンバラ大学で「Whose voice is it anyway?」という翻訳者の「声」に関するイベントがあったそうです。
ビデオがアップロードされていたので、そのうちの2つを見てみました。
- Charlotte Bosseaux ”Dubbing and its impact on actors’ performance and characterization.”
- Theo Hermans ”translator’s voice”
Theo Hermans(テオ・ヘルマンス)は、佐藤=ロスベアグ(編)(2011)の「トランスレーション・スタディーズ」(詳しくはこちら)にも寄稿していました。
- 佐藤=ロスベアグ・ナナ編. トランスレーション・スタディーズ. みすず書房. 2011
どちらも音があまりよくなかったのと(特にTheo Hermans)、パワポがほぼ見えないのが残念でしたが、Bosseauxのほうは英語・フランス語の吹替えに焦点を当てて、吹替えの際の声のトーンや大きさなどの違いで、聞き手が受ける印象が随分変わってくるといったことをいっていました。
Hermansのほうは、翻訳者が著者に同調しないか、同調するか、関心がないかなどによって、どう翻訳ストラテジーが変わってくるかを例を通しながら挙げていました。最後には、読み手のほうも、翻訳物に触れるときに、翻訳者の存在を意識するか、しないかという選択肢があると述べ、読み手の方の意識にも言及していました。