分析方法
いったいどうやって批判的談話分析をするんだといったときに、いくつか方法論も提案されているみたいです。
1つの方法論に縛られない方がいいと考える学者も多いようですが、方法論が提示されていると実際に分析を試みるときの足掛かりにはなると思います。
有名なのは、Wodak等が提唱した「discourse-historical method」や、Fairclough等の選択機能体系言語学(SFL)を使ったアプローチ、van Dijikの社会認知的アプローチなどかなと思います。
分析方法に関する本
以下の本にこういった方法論がまとめられているようです↓(まだ読んでいませんが・・)
- Wodak, Ruth, and Michael Meyer, eds. Methods for critical discourse analysis. Sage, 2009.
この「批判的談話分析(Critical Discourse Analysis)について」シリーズの①でも書きましたが、この本はありがたいことに和訳も出ています。
- ルート ヴォダック・ミヒャエル マイヤー(2010) 批判的談話分析入門―クリティカル・ディスコース・アナリシスの方法. 三元社(野呂香代子訳)
テキスト以外のものも含めたマルチモーダルな分析法
テキストだけでなく、画像・レイアウトを分析するときにはKress and van Leeuwenの枠組みを使う人も多いようです。新聞の(写真・レイアウトを含んだ)分析などでこの枠組みがよく使われている気がします↓
- Kress.Gunther and van Leeuwen, Theo (1996) Reading Images: The Grammar of Visual Design. Routledge
今回のシリーズ
他の記事もよければご覧ください。
- 批判的談話分析(Critical Discourse Analysis)について①―日本語の文献
- 批判的談話分析(Critical Discourse Analysis)について②―Norman Fairclough(ノーマン・フェアクラフ)
- 批判的談話分析(Critical Discourse Analysis)について③―Teun van Dijk(テウン・A・ヴァン・デイク)
- 批判的談話分析(Critical Discourse Analysis)について④-方法論
- 批判的談話分析(Critical Discourse Analysis)について⑤-実例
- 批判的談話分析(Critical Discourse Analysis)について⑥-批判