Fairclough
Norman Fairclough(ノーマン・フェアクラフ)は、批判的談話分析の第1人者で、批判的談話分析関連の様々な本を執筆しています。
Faircloughは、以下の「discourse and social change」という本で、ディスコース分析の際の3つの視点を挙げています。
- Fairclough, Norman. “Discourse and social change.” (1992).
1つ目は「discourse-as-text」(テキストとしてのディスコース)で、テキストの中の言語的特徴やテキストの構成に注目しています。具体的には、あるテキストでどういう語彙や文法を使われているかなどを分析します。
2つ目は「discourse-as-discursive-practice」(言説的実践としてのディスコース)で、テキストが社会の中でどう作られ、流通し、消費されているかという点に着目します。実際の分析では、スピーチアクトや、他のテキストの関係を調べる間テキスト性(intertextuality)、cohrerence(一貫性)などに焦点を当てるそうです。
3つ目は「discourse-as-social-practice」(社会的実践としてのディスコース)で、テキストを通してイデオロギーや権力関係(とのその変更の可能性)に注目しています。
Faircloughの本
Faircloughは選択体系機能言語学(SFL)の影響を強く受けています。
ちなみに昨日紹介したFaircloughの訳書の原書は以下の本です。
- Fairclough, Norman. Analysing discourse: Textual analysis for social research. Psychology Press, 2003.
今回のシリーズ
他の記事もよければご覧ください。
- 批判的談話分析(Critical Discourse Analysis)について①―日本語の文献
- 批判的談話分析(Critical Discourse Analysis)について②―Norman Fairclough(ノーマン・フェアクラフ)
- 批判的談話分析(Critical Discourse Analysis)について③―Teun van Dijk(テウン・A・ヴァン・デイク)
- 批判的談話分析(Critical Discourse Analysis)について④-方法論
- 批判的談話分析(Critical Discourse Analysis)について⑤-実例
- 批判的談話分析(Critical Discourse Analysis)について⑥-批判