Eメールを通した香港・日本の学生の間の文化間プロジェクト(文化ステレオタイプ)に関するItakura(2004)の論文を読みました。

Eメールを通した文化間プロジェクトに関するItakura (2004)の短い論文を読みました。

  • Itakura, Hiroko (2004) Changing cultural stereotypes through e-mail assisted foreign language learning. System 32 (1), 37-51.

この論文では香港理工大学の学生と鹿児島大学の学生とのEメールを通した交流プロジェクトを通して、日本に対する文化ステレオタイプがどのように構築され、変更・強化等されるかなどを考察していました。

結果としては、日本人の生の声を聴くことによって、メディアを通して得たステレオタイプより、複雑な現状を意識するようになることが多かったようです。ただ、逆に、生の声に重きを置きすぎて新たなステレオタイプを形成したり、新たな情報が既にあるステレオタイプを強化することになったこともあったそうです。

ちなみに、Itakuraは香港理工大学の准教授だそうで、以下のような本も出版しているようです。

  • Itakura, Hiroko. Conversational dominance and gender: A study of Japanese speakers in first and second language contexts. Vol. 89. John Benjamins Publishing, 2001.
Conversational Dominance and Gender: A study of Japanese speakers in first and second language contexts (Pragmatics & Beyond New Series)

Conversational Dominance and Gender: A study of Japanese speakers in first and second language contexts (Pragmatics & Beyond New Series)

  • Itakura, Hiroko
  • John Benjamins Publishing Co
  • 価格¥18,424(2025/01/08 02:42時点)
  • 発売日2001/10/04

文化間教育分野では文化ステレオタイプを扱った論文も結構あるみたいですね。ただ、最近では、ステレオタイプは不可避なものでであると考え、ステレオタイプとどう付き合っていくかのスキルを学ぶという方向に向かっているように思います(←関連文献を要確認ですが・・)