「窓を開けたまま寝てしまった」「電気をつけたまま家を出た」などといったような「PたままQ 」を教えるときの注意点を調べてみました。
参考にしたのは、以下の文献です。
- 松岡弘(監修), 庵功雄, 高梨信乃, 中西久美子, 山田敏弘(著). 初級を教える人のための日本語文法ハンドブック. スリーエーネットワーク . 2000.
注意点1:
この「PたままQ」のとき、Pのところは、主体・動作を受けるものに何等かの変化を起こす動詞に限られるようです。(松岡他 2000, p.195)
主体や対象が変化する動詞とは、「電気をつけた」「窓を開けた」「家を出た」のようなものです。
実際に「電気がついていたまま寝てしまった」という文が学習者の作った文で散見されたのですが、「ついている」という動詞は状態を示し、何らの変化を起こす動詞ではないため、この文は不自然に聞こえます。それよりも、「電気をつけたまま寝た」と「つけた」という電気に変化を起こす動詞のほうが適切だそうです。
注意点2:
基本的に、この文型は、「Pた」という状態が動作Qにそぐわないものである場合が普通だそうです。(松岡他 2000, p.195)
例えば、「パジャマを着たまま家を出た」という文だと、「家を出た」という行為に「パジャマを着ている」という行為が(ふつうは)そぐわないということになります。こういう場合は、こういう「PたままQ」の文型を使っても問題ないということになります。
逆に、「パジャマを着たまま寝た」だと、「寝る」という行為と「パジャマを着る」という行為は(ふつうは)自然な組み合わせと考えられるため、非文法まではいかないにしても、「パジャマを着て寝た」など、別の表現をしたほうが自然だそうです。