Scollon and Scollon (2003) の続きです(詳しくは前回記事①、前回記事②)
- Scollon, Ron, and Suzie Wong Scollon. Discourses in place: Language in the material world. Routledge, 2003.
最後にScollon and Scollon は地理記号論の3つの原則を挙げていました。(p.205)
①the principle of indexicality (指標性の原則)
その記号が実際に置かれている場というのも、その記号の意味を知るときに重要な要素である(詳しくは前回記事①)
②the principle of dialogicality(対話性の原則)
ある記号というのはそれ1つのみで存在しているわけではなくて、他の様々な記号とともに存在していて、他の記号との関係性というのも重要になってくる。私の理解した範囲では、例えば、同じ侍の恰好をしていても、持っているものが携帯である場合と、刀である場合は全然意味合いが変わるので、他の「記号」との関係も大切になるということ。
③the principle of selection(選択の原則)
ある人が行動するときには、いくつかの記号を選択して、残りを無視する(または背後に押しやる)。
前の記事でも書きましたが、実際に分析しようとすると、迷うことも多そうかなと思いました。例えば、原則2のある記号は単独で存在するのではなく、他の記号と関連性し合っている原則はそうだなと思いますが、実際に場面を分析しようとしたときに、どの記号とどの記号がどう関連しているのかを分析できるかと言われると、少なくとも私は簡単にはできなそうです。ただ、こういう枠組みがあることで、違う視点から物事を見てみようというきっかけになるのでありがたいですね。