前紹介したMoon (1999)のラーニングジャーナルに関する本を読み終わりました。

この前の記事で紹介したMoon (1999)のラーニングジャーナルに関する本を読み終わりました。

  • Moon, Jennifer A. Learning journals: A handbook for reflective practice and professional development. Routledge, 1999.

4部構成で、1部ではラーニングジャーナルについての基本情報や学習理論、2部では実際の教育現場での使用とその期待される効果、3部ではジャーナルをクラスで使用するにあたっての書き方指導や評価などの実践的な問題、4部は実際の使用の実例を挙げていました。

また、ラーニングジャーナルに関する学習理論と自身の研究(1999)を基に、内省(reflection)とはどういうプロセスを経るかを図で提示していました(以下の図)。
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(A map of reflective writing. Moon (1999) Learning Journals: A Handbook for Academics, Students and Professional Development, p. 35より抜粋)

鵜呑みにするかどうかは別にして、学生のラーニングジャーナルを分析するときになど役に立つのではないかなと思いました。

また第2章でラーニングジャーナルを使う根拠となり得る理論も4つ紹介していて、役に立ちそうなのでメモしておきます。

①学習を促す環境をつくる
ジャーナルを書くということは、時間をかけた知的活動が必要になる(Barnett 1997)、また自分で考えるということで、自立した学習者を育む。

②内省(reflection)を促す
ジャーナルを通して内省することは、頭を整理し、批判的に物事を見、判断することが必要となる。こういった振り返りを通して学習が育まれる(ie.g. Boud, Keogh and Walker 1985など)。

③メタ認知(自分自身・事象について考える)力を養う
自分自身の学習について一歩下がって考えるというメタ認知を養う(McCrindle and Christenson 1995)

④書くことによって更なる学習が生まれる
書くことを通して気づきがあったり、考えが変わったりと、書くこと自体が学習の場となる。