レイコフ(Lakoff)といえば認知言語学の第一人者で、日本語でもいろいろ本が出ているみたいですが、彼の以下の講演がアップされていたのでみてみました。
- Lakoff, G. (2013) Cascade theory: Embodied Cognition and Language from a Neural Perspective
「Embodied Cognition」というのは、直訳だと「身体化・具体化された認知」になり意味がわからないですが、要するに、抽象的な概念を具体化して、あたかも体で経験したことであるかのように認識するということだと思います。
上記の講演では、認知言語学についての概観を説明していました。全然詳しくないのと、移動中に流しながら聞いていたので、全部は分からなかったですが、おもしろかったところだけメモします。
レイコフによると、私達は「レストラン」「学校」「時間」「仕事」などなど何千ものフレームを持っているそうです。
そしてある言葉の使用によってどれかのフレームが活性化されるとのことです。例えば、「会計」とか「フォーク」とか[テーブル」とか「ウェイター」という言葉を聞くと、「レストラン」というフレームが浮かび上がります。例えば「レストラン」というフレームに普通「象」や「動物園」という言葉は入ってきません。
そしてそのフレームとフレームを結びつけるのに重要な役割を果たすのがメタファー(隠喩)らしいです。
認知言語学は、メタファーにかなり重点を置いていることが1つの特徴のようです。ちなみにメタファー(比喩)というと、「あの人は天使みたいだ」みたいな比喩表現を思い浮かべますが、認知言語学のメタファーは様々な領域の事項を理解する認知能力のような意味合いで使われているようです(が、あまり確かではありません。)
例えば、メタファーによって、抽象的なことを具体的なレベルにまでもってくることができます。
「時は金なり」という表現がありますが、これは「時」という抽象的な概念を「金」という五感で理解できる概念で理解しています。
また、このメタファーによって、「金」という領域と「時」という領域を結び付けることもできます。
例えば、「金」にまつわる言葉、例えば「買う」や「使う」などが、「時間を買う」「時間を使う」など「時」という領域でも使われるのがその例だと思います。これもメタファーに入るみたいです。
認知言語学は未知の領域なので、時間ができたらゆっくりいろいろな本を読んでみたいものです。
- Lakoff, George, and Mark Johnson. Metaphors we live by. University of Chicago press, 2008.