選択体系機能言語学(Systemic functional linguistics(SFL))についての入門③:TRANSITIVITY

今日は「TRANSITIVITY」分析について少し紹介しようと思います。

Systemic functional linguistics(SFL)の参考文献

参考にしているのは以下の本です。

  • Halliday, Michael,  and Christian Matthiessen. An introduction to functional grammar. Routledge, 2014.

もちろん、それだけでなく、この前の紹介記事でも記載した、以下の入門書も参考にしています。

  • Eggins, Suzanne. Introduction to systemic functional linguistics. A&C Black, 2004.

 

TRANSITIVITYの分析

昨日説明した3つの意味のうち、「ideational meaning」というのは以下の2つに細分されます。

  • experiential meaning
  • logical meaning

Experiential meaningというのは、私たちが経験する世界を表象(representation)するものということです。

ざっくりとした言い方だと、「何を話しているか」という内容の部分に関係しています。

TRANSITIVITYはそのexperiential meaningを分析・記述するときに使われます。

 

TRANSITIVITYとは?

TRANSIVITYはプロセスタイプともいわれますが、基本的に動詞の種類の分析になります。SFLでは、以下の6つのプロセスタイプがあります。

  1. Material
  2. Mental
  3. Verbal
  4. Behavioural
  5. Existential
  6. Relational

また、その動詞の分析だけではなく、動詞に伴って表出する名詞の分析も入ってきます。

 

例えば、3つ目の「Verbal」というのは「say」「tell」など話すことに関係する動詞のことです。このプロセスタイプには、「Sayer(言う人)」「Receiver(受ける人)」「Verbitage(言ったこと)」の3つの「participants(参加者)」が関係するといわれています。(ただし、ReceiverとVerbitageは必須ではわけではありません)。

  • I asked him a question

という文だと、「ask」がプロセスタイプのverbal、「I」 がSayer、「him」がReceiver、「a question」がverbitageになります。

こういうプロセスタイプ(動詞)に伴って出てくる名詞(上の例だと、「Sayer」「Receiver」「Verbitage」)のことを「Participants」と呼んでいます。

長くなりそうなので、各プロセスタイプの説明については次の記事にしようと思います。