Jone and Ono (2008)の Style shifting in Japaneseという、日本語のスタイルシフトについての本があったので、ぱらぱら見てみました。
- Jones, Kimberly, and Tsuyoshi Ono, eds. Style shifting in Japanese. Vol. 180. John Benjamins Publishing, 2008.
スタイルシフトとは、ある文章・会話の中で、一貫して1つの文体・話体を使うのではなくて、ある文体・話体から別の文体・話体に変わることを指すことが基本的に多いようです。例としては、「夏はハワイに行ったんです。いや、本当に楽しかった~。」とか「そうなんだ。大変だね。でも応援しています。」というように、「行ったんです」や「応援しています」などの丁寧体と、「楽しかった~」「そうなんだ」「大変だね」のような普通体が混ざることなどが挙げられます。
実際の会話では、上のような丁寧体、普通体の間だけでなく、例えば女言葉を使ってみたり、方言と共通語を混ぜたりといろいろなスタイルシフトの事例が報告されているそうです。
こうやってスタイルシフトをすることで、その場その場で相手との距離感を調整したり(Ikuta 1983)、自分の社会的アイデンティティを示したり(Cook 2006)しているのではと分析している論文もあるようです。
確かに実感として、自分もいろいろなスタイルを混ぜて使っていることが多いと思いますが、これを例えば学習者にどう教えるのかと言われると難しいなと思いました。