パウロ・フレイレ(Paulo Freire)はマルクス主義などの流れを汲んだブラジルの教育者で、応用言語学でもリテラシー教育やクリティカル・ペダゴジー(学習者の批判的意識を高める教育法)で大きな影響を与えています。
彼がブラジルでの識字教育を基づいて書いた以下の「Pedagogy of the Oppressed」(1970)は、クリティカル・ペダゴジーに携わる人の必読書となっています。
- Freire, Paulo. “Pedagogy of the Oppressed, trans.” Myra Bergman Ramos. New York: Continuum (1970).
日本語でもかなり有名なようですね。上記の本の訳書も新版と旧版の2種類があるようです。
新版↓
- パウロ, フレイレ(著) 三砂ちづる(訳). 被抑圧者の教育学: 新訳. 亜紀書房, 2011.
旧版↓
- パウロ・フレイレ,小沢有作他訳. 被抑圧者の教育学. 亜紀書房, 1979.
こんな解説書までありました↓(読んでないですが)
- 里見実. パウロ・フレイレ 「被抑圧者の教育学」 を読む. 太郎次郎社エディタス, 2010.
フレイレは、学習者が一方的に知識を吸収する「銀行型教育(要するに、銀行口座にお金がたまるように、学生に知識を詰め込んでいく教育)」ではなく、先生・学生の双方向の対話を通した教育を提唱しています。学習を通して社会の権力構造を意識し、そして学習者自らが主体的にその構造を変容させていくことが必要だといっています。