語用論の教授法に関する本のCookのチャプター(2001)を読みました①

ずっと前に読んだ、語用論の教授法に関する本のCookのチャプターを読み直しました。

  • Cook, Haruko Minegishi (2001) Why Can’t Learners of Japanese as a Foreign Language Distinguish Polite from Impolite Speech Styles? In Kenneth R. Rose and Gabriele Kasper (Eds.) Pragmatics in Language Teaching.

ちなみに語用論(pragmatics)とは・・・

とまで書いて、当たり前のように普段「語用論(pragmatics)」という言葉を使っていますが、どう説明すればいいのかというと情けない話ですが、よく分かりません・・・。

言語(記号)と、実際に使う人が場面に応じてその言語(記号)をどう使用・解釈するかという関係性を探るものと定義されることが多いようですね。これだけ書いても意味が分からないので、例を挙げて考えてみます。

例えば

「寒いね」

という一つの言葉をとっても、場面や状況、言い方、相手によって全然意味が変わってきます。

冬の朝、友達と会って、「寒いね」「そうだね」と言い合うと、それはただの挨拶ですが、クーラーのガンガンにきいた部屋で「寒いね」と相手が言った場合、「クーラー消して」という言外の意味を持つ可能性もあります。おもしろくない冗談を聞いて「寒いね」というと「面白くない」という意味にもなり得ます。このように場面によって「寒いね」という言葉がどう解釈され、使用されるかを探るのが語用論(pragmatics)だと思います。
時間があるときに入門書を読み直します・・・。

こういった語用論は、決まったルールがあるわけでもなく、場面によって変わり得るものなので、言語教育で教えるのはなかなか難しいと言われています。「クーラーが冷えている部屋で『寒い』と言われたら『クーラーを消せ』という意味である」なんていうと、そうでない反例がたくさん出過ぎてしまいます。

ただ、教えるのが難しいから教えないでいいのか、と言われるとそうでもないので、言語教育では、語用論に関連する事項をどう扱うのかが議論に挙がります。

書きたかったのは上記のCookの論文についてだったのですが、長くなったのでまた明日にします。