前に紹介したScollon and Scollon (2003)にゴフマンのinteraction orderというのが分析の枠組みの1つとして紹介されていて、どういうものなのか調べてみました。
ちなみにゴフマン(Erving Goffman)は1950年~1980年代に活躍したドラマトゥルギー(dramaturgy)で有名な社会学者です。日本語でも何冊か出版されています。
- Goffman, E. (1958). 石黒毅訳 (1974). 行為と演技─ 日常生活における自己呈示. 誠信書房
調べたといっても主にScollon and Scollon (2003)のp. 60-61を読み、ネットサーフィンしただけですが・・・。
ゴフマンは毎日のコミュニケーションはただ個人がそれに参加しているというだけにとどまらず、何らかの社会的秩序があると考えたようです。
原書を読んでいないので、この「秩序(order)」がどういう意味かよくわからないのですが、家族の食事での会話と、見知らぬ人とのバス停での会話とでは、違う振る舞いを求められ、そのそれぞれの場面である程度、期待される社会的規則のようなものがあるということなのかなと思いました。(あくまで私の解釈ですので、見当違いかもしれません・・・)
ゴフマンはこの人々が集まり、コミュニケーションするときの社会的取決めのようなものをinteraction order(相互作用の秩序)と呼んだようです。
具体的には、ゴフマンは人と人との関わり・相互作用(interaction)を、「一人でいる(singles)」「だれかといる(withs)」「一緒に動いている(files and processions)」「並んでいる(queues)」「コンタクトしている(contacts)」から「祝い行事(celebrative occasions)」など11の種類に分けているそうです。(Scollon and Scollon p.61)
こういう枠組みがあると確かに分析するときは便利かもしれないですね。
ゴフマン(Goffman)のフレーム分析(詳しくはこちら)というのも、こういうinteraction order(相互作用の秩序)を探るためにあるということなのでしょうか。やはりちょっとよく分からないので、また今度時間があれば原書にあたってみようと思います。